特定健康診査・特定保健指導
40歳以上の被保険者(任意継続被保険者を含む)および被扶養者を対象として、生活習慣病予防に向けて「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)に着目し、その状態を検査するのが、特定健康診査となります。
この特定健康診査結果を一定の基準に基づき階層化して、生活習慣改善の必要がある方に保健指導を行い被保険者の生活習慣病予防を行うのが特定保健指導です。
- ※生活習慣病とは、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧等の総称で、日本人の病死の約2/3を占めています。
特定健康診査
40歳以上の被保険者については、事業主の定期総合健診にて実施いたします。
40歳以上の任意継続被保険者および被扶養者については、任意継続被保険者・家族健診にて実施いたします。
1.実施時期
4月1日~
2.対象者
40歳以上の任意継続被保険者および被扶養者(任意継続被保険者・家族健診で代替)
3.特定健康診査項目
診察 | 計測(身長・体重・BMI・腹囲)、理学的検査(身体診察)、問診(喫煙・服薬)、血圧 |
---|---|
脂質 | 中性脂肪、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール |
肝機能 | AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP |
代謝系他 | 空腹時血糖またはヘモグロビンA1c(NGSP)、尿糖 |
尿・腎機能 | 尿蛋白 |
《医師が必要とした対象者の追加項目》
心電図検査、眼底検査、貧血検査(ヘマトクリット値、血色素測定、赤血球数)
特定保健指導
特定健康診査結果によって、保健指導の必要性の要否を階層化し、生活習慣病の予防を目的として動機付け支援と積極的支援対象者に分け、その中から希望者に対して保健指導を実施いたします。
なお、発症リスクの高い境界型の方には、希望ではなく特定保健指導参加の勧奨をいたします。
- 参考リンク
特定保健指導の対象区分
内臓脂肪蓄積の程度とリスクの数に喫煙歴の有無が加味され、以下のとおり対象区分が決定されます。
腹囲 | 追加リスク項目 (①血糖 ②脂質 ③血圧) |
喫煙歴 | 支援対象区分 | |
---|---|---|---|---|
40~64歳 | 65~74歳 | |||
男性85cm以上 女性90cm以上 |
2つ以上該当 | ― | 積極的支援 | 動機付け支援 |
1つ該当 | あり | |||
なし | 動機付け支援 | |||
上記以外で BMIが25以上 |
3つ該当 | ― | 積極的支援 | 動機付け支援 |
2つ該当 | あり | |||
なし | 動機付け支援 | |||
1つ該当 | ― |
- ○BMI:肥満指数を表す(体重÷身長÷身長)
- ○追加リスク項目
①血糖 ヘモグロビンA1c 5.6% 以上または空腹時血糖 100mg/dl 以上
②脂質 中性脂肪 150mg/dl 以上またはHDLコレステロール 40mg/dl 未満
③血圧 収縮期血圧 130mmHg 以上または拡張期血圧 85mmHg 以上 - ○喫煙歴は現在の喫煙習慣の有無による
特定保健指導の実施内容
《動機付け支援》
原則として初回の個人面接を通じ、計画の作成、実行にむけて自主的に生活習慣を改善するための支援を行い、6ヵ月後に実施状況を評価・確認し次の行動化に繋げます(教材を活用)。
《積極的支援》
原則として初回の個人面接は動機付け支援と同じですが、6ヵ月にわたって電話・メール・web面談等で行動計画の実践に向け継続的支援を行い、6ヵ月後に実施結果を評価・確認し次の行動化へ繋げます。
Ⅰ.実施要領
- 参加者の選定
対象者宛に内容の案内を行い、受講希望の有無により特定保健指導参加者の選定を行います。参加者については、健保組合より実施のご案内をいたします。 - 保健指導のパターン別実施内容
保健指導の実施パターンについては、以下3パターンを用意しております。- 〇Aパターン
特定保健指導を専門業者へ委託するものです。委託業者が、対象者と日程を調整し面談等特定保健指導を実施します。
初回は面談となりますが、場所は当該対象者の所属事務所を借用し実施いたしますので、事業主のご協力願います。 - 〇Bパターン
定期総合健診・人間ドック等を委託している医療(保健)機関に特定保健指導も委託するものです。
被保険者の医療データから健診終了時すでに特定保健指導対象者がわかっている場合、その場で特定保健指導の有無を確認、初回面談を済ませることもできます。
また事業主は、医療機関とより密な健康管理ができます。 - 〇Cパターン(利用券の活用)
健保連共同事業である全国指定医療機関共通の特定保健指導「利用券」を対象者へ発行いたします。「利用券」を受け取った方は、希望する指定医療機関で保健指導を受けることになります。日程調整・医療機関の指定は、対象者が自分の都合等を加味し自ら行います(利用券の場合は、対象者全員に配付し初回面談実施をもって参加者を決定いたします)。
ただし、発行利用券の有効期限がありますので、この期間内に初回面談を済ませるようご留意願います。
最寄りの指定医療機関は、こちらをご参照ください。
- 〇Aパターン
- 積極的参加勧奨
積極的支援対象者のうち、特に発症リスクの高い境界型の方には、希望ではなく特定保健指導の参加勧奨をいたします。これは健診データ、レセプト分析により疾病予備群が多数存在し、時間の経過とともに発症に至る方が多くみられることから行うものです。事業主の方には、対象者リストおよび本人宛て案内(見本)を送付いたしますので受講に向けて動機付け等ご協力願います。(1)選定基準
①血糖値 空腹時血糖115mg/dl ≦ X ≦ 120mg/dl または
ヘモグロビンA1c(NGSP)6.2% ≦ X ≦ 6.9%②血圧 収縮期血圧135mm/Hg ≦ X ≦ 159mm/Hg または
拡張期血圧90mm/Hg ≦ X
積極的支援に同じ。
Ⅱ.費用負担
受講対象者および事業主の費用負担はありません(健保にて全額負担いたします)。
Ⅲ.健診データの提供
特定保健指導を円滑に進めるためには、事業主健診または個人健診(任意継続被保険者、被扶養者)による特定健康診査結果の提供が不可欠です。以下、すみやかにご報告をお願いいたします。
<集団健診の場合>
特定健康診査は、定期総合健診、人間ドックに包含して実施されますが、提供頂くデータ仕様については国からXMLデータの標準仕様が決められております。
定期総合健診・人間ドックを委託する医療(保健)機関に対して事前にXMLによる健診結果データの提供を要請し、健診後すみやかにご提出願います。特定健康診査を実施する医療機関は、法等によりXMLデータの提供が義務付けられております(XMLデータの取得費用:健保組合にて負担)。
<個人による受診>
個人による受診の場合は当該電子データ提供が困難な場合があります。この場合は健診結果のコピーを送付してください(必ず問診票も添付してください)。
Ⅳ.健診時期の早期化について
健診時期が下期に集中しがちですが、この場合、特定保健指導の実施時期が業務の繁忙時の期末に集中することになり、保健指導受講の機会選択が困難になることも予想されます。定期健診時期の早期化をお願いいたします。事業主健診データの12月以降の受付については、特定保健指導が翌年度以降となります。